驚いたこと

私は多くのバイトをしてきたのであるが、その中でも結構、割の良いバイト、つまり高収入バイトをしてきたのであった。多くの高収入バイトをしてきたのであったが、その中でも様々な驚いたことや、気づいたことがあったのであった。
例えば、社長秘書の高収入バイトをしてきた時のことを話してみよう。この仕事でも様々な驚いたことがあったのであった。どういったことかというと、まず社長というのは朝が早いというのが単純に驚いたことであった。私がもし社長であったならば、つまり会社の長であり、トップであるならば権限を使えるところまで使おう(笑)と思うのであるが、実際の社長というのはそういったことが全くなかったのであった。驚いたことに始業時間は9時30分であったが、その遅くとも2時間前には出社しているとのことであった。社長に一度そのことについて、不思議に思って聞いてみると、逆に私について不思議がられたものであった。「君は人を動かそうと思った時に、どうやって動かすの?」とその時に社長に言われたのを覚えている。口数があまり多くなかった社長であった。その時はその言われたことについての意味がよく分からなかったのであるが、今ならばよくわかる。社長としては『人を動かそうと思ったならば、指示して動かそうとするのではなく、自らが行動してそれについてきてもらうように動かす』そういったことを言いたかったのだと思っている。その社長の考えが示すように、驚いたことに私はとても良く働いたのであった。たしかに、その仕事は高収入バイトであったが、その仕事の価値以上のものをしてきたと私としては思っている。ただ、それはなにか強制的なものが働いてと言うよりは、あくまでも自発的なところから生まれたものであったので、それほど苦ではなかったのである。
私の社歴というのは転々としたものであって、それ以降も様々な高収入バイトをしてきた。しかし、振り返ってみるとその社長のもとで働いた時が一番やりがいがあったのではないかと思っている。それ以前もそれ以降も私は様々な高収入バイトをしてきたのであるが、驚いたことに私の心の中に残っているのは、そのバイトのことだけである。